図書室から
臨時休校の影響で、今日が期末考査3日目でした。
急な休校のあとさらに土日を挟み、いつもより勉強の時間が取れたことと思います。成果は出たでしょうか。
明日あさってで考査が終了した後は、来週再来週と行事が続き、すぐ夏季休暇ですね。
夏季休暇にはまとまった時間が取れますから、ぜひ本を読みましょう。
読書は、知識や教養を高めるだけでなく、想像力、思考力、語彙力、文章力を向上させます。
また、熱中して読むことで現実から解放され、ストレスも解消できます。
私はこどものころ、主にこれを目的に本の中に逃げ込んでいました。
読書をすることで、現実から離れていったん落ち着くことができますし、本の中で、上手な気持ちの持ち方や悩みを解決する糸口を見つけられることもあります。
メンタルが不安定な人にこそ、読書は効果的だと考えます。
今日は伯方分校図書室の蔵書から、1冊ご案内します。
『水中の哲学者たち』(永井玲衣著、晶文社)は、著者が言うところの「手のひらサイズの哲学」について書かれています。哲学と聞くと、難しい感じがしますが、とても読みやすいエッセイです。
では、「存在のゆるし」という章から少し紹介します。
「存在することは、やるせない。存在は白々しい。わたしたちは『ただ存在すること』が苦手だ。・・・足早にすれ違うひとはみんな、何か役割を持っているような気がして、ひどく心細かった。みんなが立派に見える。・・・ただ存在することは、いたたまれない。だから、わたしたちは何か役割を得たいと思う。・・・反対に、役割をもっていないひとをわたしたちは軽視する。まなざしの圧力でそのひとを押しつぶそうとする。まなざしは、存在を小さくすることができる。役割を持て、役に立て、と叱りつけることができる。だがその声は、呪いである。・・・呪いはあっという間に血管をかけめぐり、わたしを殺すだろう。いつまでも、いつまでも、呪いを撒き散らしながら。」
作者は、「役割を持つ人でなければいけない」という葛藤とたたかいながら、「ただ存在する」運動を始めます。
「存在そのものにしがみついていることは難しい。・・・存在の不安に押しつぶされそうになりながら、わたしは『存在』をやってみる。・・・役割を得ることだけが価値にならないように。」
何者かでなければならないという強迫観念から、解き放ってくれる考え方ですね。
何者かにならなくてもいい。役に立たなくてもいい。
ただ存在する、ということを自分にゆるしていいのだなあと、少し楽になりました。
ひとつひとつのお話が短いので、気になるところだけ読んでみてもいいですよ。
おすすめです。よかったら手に取ってみてください。